願いごとを思い描いて、こうなったらいいのに、と毎日願っている。
それなのに、なかなか現実が動かない。
むしろ、願えば願うほど、遠ざかっているような気さえする。
そう感じることはありませんか。
実は、そう感じているときほど「まだ叶っていない」という気持ちに、心の大部分が向いています。
だからこそ、同じ場面が繰り返されてしまうのです。
ここでいう場面とは、あなたの目の前に映る現実のこと。
思考が向いた方へ、現実のほうからやってくる仕組みがあるなら、「まだない」を見つめ続けると、その「まだない」という演目が舞台に留まり続けてしまいます。
では、どうすればいいのでしょう。
新しい演目に切り替えるには、まず「すでに動いている」ことを知る必要があります。
ここで大切な考え方があります。
願いが叶わないと感じるとき、それはたいてい力みのサインです。
力みとは、願いを握りしめすぎてしまうこと。
「絶対にこうならなければ」「こうでなくては困る」という過剰な力がかかると、本来働くはずのスイッチが止まってしまいます。
世界のしくみは必ず働く。
けれど、力みがそれを止めてしまう。
この対の真実を覚えておいてください。
でも、力みを責めないでください。
力みは悪者ではありません。
ただ、手放すタイミングを教えてくれているだけなのです。
「あ、いま力んでいるな」と気づくこと自体が、すでにスイッチの入り口です。
ここで試してほしいのが、「小さな奇跡ノート」です。
### 小さなできごとを集める
どんなに些細でも、今日起きた「ふとしたできごと」をノートに書きとめてみてください。
たとえば、いつも通る道で今日だけタイミングよく信号が青だった。
会いたいと思っていた人から、偶然のタイミングでメッセージが届いた。
本屋でなんとなく手に取った本が、いま知りたかった内容だった。
欲しかったものが、思いがけないかたちで手に入った。
こうした小さなできごとを、一日の終わりに三つだけ書いてみるのです。
このノートの目的は、現実がすでに動いていることを「知る」ことにあります。
知るはスイッチです。
大きいか小さいかは関係ありません。
あなたが「あ、動いている」と気づいた瞬間、その場面がレパートリーに加わります。
すると、現実のほうからさらに動いてくる。
不思議に思えるかもしれませんが、あなたが作ろうとしなくても、スイッチが入れば現実の側が動き始めるのです。
幕が上がるように、向こうからやってくるのが本来のかたちです。
### なぜ「小さい」ほうがいいのか
最初は「こんな小さなことでいいのかな」と思うかもしれません。
でも、それでいいのです。
むしろ、小さなできごとのほうが力みなく書けます。
大きな奇跡を探そうとすると、また「これで合っているのかな」「本当に引き寄せられているのかな」と、頭がうるさく動き出してしまうからです。
力みが戻ってくると、せっかく入りかけたスイッチが止まってしまいます。
小さいできごとには、もう一つ利点があります。
それは、一日に必ず見つかること。
どんな日でも、三つくらいは「うれしかったこと」「助かったこと」があるものです。
続けることで自信が生まれ、「ああ、私の現実はちゃんと動いているんだ」という手応えが積み重なっていきます。
以前お話しした「「すでに叶った」をリアルに感じる、五感イマジネーションのコツ」にも通じますが、「すでにある」を知覚することは、言葉で願うよりずっと強いのです。五感で感じるイマジネーションと、実際に起きた小さなできごとを記録することは、どちらも「ある」に意識を向ける練習です。
また、「あなたの「好き」が、いちばん強い引き寄せエネルギーになる理由」でも触れたように、好きなことに夢中になっているとき、人は自然と力みから解放されています。奇跡ノートを書いていると、「好き」や「うれしい」を探す習慣がついて、その状態に近づいていきます。
### 今日の小さな実践
今夜、眠る前にノートを開いて、今日あった「小さなうれしいできごと」を三つ書いてみましょう。
スマートフォンのメモ機能でもかまいません。
立派なノートである必要はありません。
たった三つでいい。
そして書き終えたら、そのできごとを思い出して、ふっと口もとをゆるめてください。
にっこりしなくても、口もとがほんの少し上がるくらいで充分です。
それだけで、あなたの心のフィルターは少しずつ変わっていきます。
続けているうちに、ある日ふと気づくはずです。
「あれ、こんなことも起きていたんだ」と。
一週間前には見逃していたようなできごとが、気づけば毎日見つかるようになっている。
その瞬間が、あなたのレパートリーに新しい演目が加わった合図です。
現実はいつも、あなたが知るところから動き始めます。
小さな奇跡を拾う手が、やがて大きな場面転換を連れてくるでしょう。