四柱推命の「印綬(いんじゅ)」とは、命式の中心である日干を「生じる(育てる)」関係にある通変星で、学びや知性、人からの保護や援助を象徴する星です。
十種ある通変星のなかで、もっとも「受け取る」ことに長けた性質を持ちます。
四柱推命の印綬とは
四柱推命の通変星は、日干(その人の本質をあらわす中心の干)と他の干支との関係で決まります。
印綬は、日干を「生じる」五行の干のうち、日干と陰陽が異なるものを指します。
たとえば日干が甲(陽の木)であれば、木を育てる水の干のうち陰にあたる癸が印綬です。
日干が丙(陽の火)であれば、火を生じる木の干のうち陰の乙が印綬になります。
このように、自分を生み育ててくれる存在でありながら、陰陽が異なることで「素直に受け取れる」関係になるのが印綬の特徴です。
古典『子平真詮』には「印綬喜其生身、正偏同為美格」とあり、印綬は身を生じることを喜び、正偏ともに良い格局とされています。
また、同じく古典『滴天髓』では、印綬は官星(正官・偏官)とともにあらわれることを最も好むとされ、とくに正官との組み合わせは「官印双全」と呼ばれ、学識と社会的な立場が調和した優れた格局として評価されてきました。
印綬の判定方法
印綬は、命式の年柱・月柱・日柱・時柱の干支、および地支に含まれる蔵干のなかに、日干に対応する印綬の干があるかどうかで判定します。
対応関係は次のとおりです。
日干が甲(陽木)なら印綬は癸(陰水) 日干が乙(陰木)なら印綬は壬(陽水) 日干が丙(陽火)なら印綬は乙(陰木) 日干が丁(陰火)なら印綬は甲(陽木) 日干が戊(陽土)なら印綬は丁(陰火) 日干が己(陰土)なら印綬は丙(陽火) 日干が庚(陽金)なら印綬は己(陰土) 日干が辛(陰金)なら印綬は戊(陽土) 日干が壬(陽水)なら印綬は辛(陰金) 日干が癸(陰水)なら印綬は庚(陽金)
なお、同じく日干を生じる干でも、陰陽が同じものは「偏印」と呼ばれ、印綬とは兄弟星の関係にあります。
たとえば日干が甲のとき、壬(陽水)が偏印です。
印綬と偏印をあわせて「印星」と総称し、学びや知恵、助けという点では共通しています。
日干についてより詳しく知りたい方は、四柱推命の「日干」とは?あなたの本質を映す一文字もあわせてご覧ください。
命式にある人の性格と傾向
印綬が命式にある人は、知識を得ること自体を喜びと感じる傾向があります。
体系的な学問に向いており、地道に積み重ねる勉強を苦にしません。
また、人生の節目で「誰かが手を差し伸べてくれる」経験に恵まれやすいのも印綬の特徴です。
真面目で誠実な印象を与えることが多く、周囲からの信頼を得やすい性質も持ち合わせています。
ただし、印綬が多すぎる場合には注意も必要です。
「守られている」感覚が強くなりすぎると、自分から動くよりも「待つ」姿勢が勝ってしまい、現実的な行動が伴わなくなることがあります。
精神的な充足を求めすぎて、かえって世の中の実際の動きから離れてしまう面もあるため、学びを実践に結びつける意識が大切です。
偏印との違いを理解する
印綬が「正しい学び」を象徴するのに対し、偏印は「偏った学び」や独創的な知性をあらわします。
印綬が学校教育や体系的な知識、伝統的な教養に向かう性質であるのに対し、偏印は独学やマニアックな趣味、型にはまらない発想に親和性があります。
どちらが優れているという話ではなく、質の異なる知性のあらわれ方として、両方をあわせて見ることが大切です。ほかの通変星についても知りたい方は、四柱推命 通変星 一覧|10種の意味と性格の読み方基本をご参照ください。
印綬を日々に活かす
印綬が命式にあるなら、「学ぶこと」がその人の運気を動かすきっかけになりやすいといえます。
新しい分野の本を手に取ったり、気になっていた講座を始めたりすることが、人生全体の流れを良い方向に動かす一手になるでしょう。
反対に、印綬が無い人や弱い人は、必ずしも学びに向いていないわけではありません。
実践のなかから体得する力や、人に頼らず自分の足で立つ力に優えている可能性があります。
自分の命式を知ることで、「自然にできること」と「意識して補うこと」の区別がつきやすくなるのです。
自分に印綬があるかどうかは、実際に命式を出してみるとひと目でわかります。
当サイトでは、古典『子平真詮』『滴天髓』に準拠し、立春の節入り時刻まで考慮したうえで、十種の通変星とあわせて十八種の神殺も算出します。
計算は無料で、何度でもご利用いただけます。
よくある質問
Q. 印綬と偏印はどう見分ければいいですか
A. 日干との陰陽の異同で区別します。
日干を生じる干のうち、日干と陰陽が異なるものが印綬、同じものが偏印です。
たとえば日干が甲(陽木)なら癸(陰水)が印綬、壬(陽水)が偏印にあたります。
Q. 印綬が命式に無いと勉強が苦手ということですか
A. いいえ、そうとは限りません。
印綬が無い人は座学よりも実践を通して学ぶことや、自分なりの方法で知識を身につけることに長けている傾向があります。
学びのスタイルが異なるだけです。
Q. 印綬が命式に複数ある場合、どんな点に気をつけるといいですか
A. 学びに没頭しすぎて現実の行動がおろそかになったり、人の助けに頼りすぎたりする面が出ることがあります。
「アウトプットする時間」や「自分で決めて動く時間」を意識的に作ると、バランスが取りやすくなります。