音楽のリフレッシュ効果は古今東西様々な推測や研究が続けられてきており、今後も音楽家が考え続けなければいけない課題の一つではあります。
同時に医学的アプローチが極めて難しい分野になってきます。
ドイツではサイマティックレゾナンスなどの医学的アプローチの音楽療法もありますが、再現性に関してはまだまだ科学的とは言えません。
しかし少なからずリフレッシュ効果はある!と思われる方が圧倒的多数派であるといえるのではないでしょうか。
ニューサウスウェールズ大学の研究
2022年3月22日付に雑誌『JAMA Network Open』に掲載された研究によると、音楽を聴いたり、演奏したり、歌ったりすることは精神衛生上プラスに作用するという発表を行いました。
研究出典:Association of Music Interventions With Health-Related Quality of Life
これは音楽に携わっている方なら実感する点も多いかと思います。
この研究は26種類の過去の研究データとの組み合わせで行われ、総勢779人を対象に行われました。
平均年齢は60歳。
- オーストラリア
- ブラジル
- 中国 (香港特別行政区)
- ドイツ
- インド
- イタリア
- オランダ
- スペイン
- スウェーデン
- タイ
- トルコ
で実施。
イギリスとアメリカではゴスペルや合唱などの集団での検証が行われています。
検証は生活の質を表すQOLに焦点を絞っています。
HRQolとは、健康状態を軸とした生活の幸福度を表します。
身体機能、メンタルヘルス、総合的な幸福感を8つの健康概念を評価するため36項目の質問を用意して評価される方法をSF-36(Short Form 36 Health Surveyと呼び、この研究ではその短縮版となる12項目に絞ったSF-12を採用しています。
音楽と運動とを比較
エクササイズなどの非薬品的な医学的介入と比較し検証。
すると、音楽によるメンタルヘルスの向上はエクササイズなどの非薬品的医学介入とほぼ同レベルになることがわかりました。
さらに8件の研究においては他の音楽療法と併用することで、HRQol(SF-12)においてさらなる有意な変化がもたらされたとしています。
課題と問題点
全体的に肯定的な研究結果が出た検証でしたし、他の論文でも肯定的な結果が多数現れているにも関わらず音楽療法がイマイチ確立されない点が個人間、つまりミクロで見た時にかなりのばらつきがあるという点です。
中期〜長期の記憶にアクセス
今回の研究では音楽を聴いたり演奏したり歌ったりするだけで、エクササイズと同等のメンタルヘルスの向上が見込めるとのことでした。
そこに音楽療法と組み合わせれば臨床的にも有意な変化が観測されたとされていますが、音楽療法自体は対象者個人に合わせてプログラムを組んでいくものであり、目的は長期記憶へのアクセスなど退行催眠などの要素も含まれていると筆者は勉強していて感じています。
だからこそ、音楽療法士は人の数だけプログラムが組めるほど多くの音楽的な文化や歴史、ジャンルを知り尽くしている必要がありますし、膨大なデータの中から個人に合うプログラムを組み上げていく必要があります。
もちろんその地域の伝統音楽や民族性の高いものも必須になりますので、音楽は世界共通言語と言われますが、やはり音楽療法に関して言えば地域密着型というのが最適だと思います。
本研究でもこのように締めくくられています。
“Future research is needed to clarify optimal music interventions and doses for use in specific clinical and public health scenarios,”
Association of Music Interventions With Health-Related Quality of LifeA Systematic Review and Meta-analysis
「特定の臨床および公衆衛生シナリオで使用するための最適な音楽介入と用量を明らかにするには、将来の研究が必要です」
音楽療法の世界は多種多様な特定のルールが通用しないふわっとした世界として今後も進化していくと想像できます。

- こうたろう
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音大を卒業後ピアニストとして活動。
日本で活動後北欧スウェーデンへ。
アーティストLindha Kallerdahlと声帯とピアノによる即興哲学を研究。
その後ドイツ・ケルンに渡りAchim Tangと共にアルバム作品制作。
帰国後、金田式DC録音の第一人者:五島昭彦氏のスタジオ「タイムマシンレコード」にアシスタントとして弟子入り。
独立後音楽レーベル「芸術工房Pinocoa(現:Kotaro Studio)」を結成。
タンゴやクラシックなどアコースティック音楽作品を多数プロデュース。
大阪ベンチャー研究会にて『芸術家皆起業論~変化する社会の中、芸術家で在り続けるために』を講演。
その後、秋山庄太郎氏後継の写真スタジオ「村上アーカイブス」でサウンドデザイナー兼音響担当として映像制作チームに参加。
村上宏治氏の元で本格的に写真、映像技術を学ぶ。
祖父母の在宅介護をきっかけにプログラムの世界に興味を持ち、株式会社 ジオセンスの代表取締役社長:小林一英氏よりプログラムを学ぶ。
現在はKotaro Studioにて『あなたのためのアートスタジオ』音と絵をテーマに芸術家として活動中。
2023年より誰かのための癒しの場所『Curanz Sounds』をプロデュース。
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