【世界の瞑想】釈迦からトランスデンタル瞑想〜瞑想法完全ガイド

瞑想といえば仏教の教えというイメージが強いですが、瞑想方法には様々な方法があります。

瞑想は、内なる平和と外界との調和を求める旅です。

このガイドでは、釈迦が座った菩提樹の下から、今日の忙しい都市の生活に至るまで、世界中のさまざまな瞑想法を探ります。

心を開き、世界の瞑想法を体験することで、あなたも無限に広がる心の旅を始めることができます。

サマタ瞑想とヴィパッサナ瞑想

釈迦による瞑想の教えは、内面の平和と悟りへの道を開くための具体的な方法です。

特にサマタ瞑想とヴィパッサナ瞑想は、この道の二つの重要な柱となるわけです。

具体的な実践方法を含めて順番に見ていきましょう。

重要な点は、「実践」することです。

サマタ瞑想(集中瞑想)

サマタ瞑想の目的は、心を落ち着かせ、一点に集中させることにあります。

この瞑想法は、心の乱れを鎮め、深い平和と静けさを得るために行います。

実践方法:

  1. 静かな場所を選ぶ: 瞑想に適した静かで落ち着いた場所を選んでください。
  2. 快適な姿勢を取る: 座って瞑想する場合は、背筋をまっすぐに保ち、足は蓮座または半蓮座で組むか、快適な姿勢で座ってください。
  3. 呼吸に集中する: 目を閉じ、自然な呼吸に意識を向けます。吸息と吐息を通じて、心を落ち着かせ、集中させます。
  4. マントラを唱える: 集中を深めるために、特定のマントラ(言葉や音節)を心の中で静かに唱えることも有効です。
  5. 心がさまよったら優しく戻す: 心が雑念に引きずられたら、判断せずに優しく呼吸へと意識を戻します。

ヴィパッサナ瞑想(洞察瞑想)

ヴィパッサナ瞑想は、自身の心と体の経験を深く観察し、物事の真実を洞察することを目的とします。

この実践は、内なる洞察を深め、悟りへの道を進む手助けとなります。

実践方法:

  1. 呼吸を観察する: サマタ瞑想で心を落ち着かせた後、自然な呼吸を注意深く観察します。呼吸の動き、リズム、呼吸に伴う身体の感覚に意識を向けます。
  2. 身体感覚に注意を払う: 呼吸に加えて、身体のさまざまな部分の感覚に意識を移します。温かさ、冷たさ、圧力、痛みなど、身体の感覚をただ観察します。
  3. 感情と思考を観察する: 心の動き、感情、思考の流れを客観的に観察します。これらを判断せず、ただ現れては消えていくものとして捉えます。
  4. 一切合切の現象を受け入れる: 瞑想中に経験するすべての現象を、そのままの姿で受け入れます。この過程で、すべてのものが変化し続けるという事実に気づきます。

サマタ瞑想とヴィパッサナ瞑想は、互いに補完し合う関係にあります。

サマタ瞑想によって心を落ち着かせ、集中力を高めた後にヴィパッサナ瞑想を行うことで、より深い洞察と悟りに近づくことができます。

これらの瞑想法を実践することで、内面の平和と洞察を得る旅が始まります。

マントラの必要性?

釈迦自身が特定のマントラを唱えるように直接教えた記録は、古典的な仏教経典には存在しません。

仏教の初期経典では、瞑想の実践においてマントラ(サンスクリットで「聖なる音節や言葉」)の使用について明確に言及している部分は少ないのが特徴です。

釈迦が教えた瞑想法では、主に呼吸の観察や心の動きの洞察に重点を置いています。

ただし、後世の仏教伝統、特にチベット仏教や密教(ヴァジラヤーナ)では、マントラを用いた瞑想が広く実践されるようになっています。

これらの伝統では、マントラは心を浄化し、精神的な力を高め、悟りを促進するための重要な手段と見なされています。

例えば、後述もしますが、チベット仏教では「オーム・マニ・パドメ・フーム」(オム・マニ・ペメ・フン)という六字大明呪(六字真言)が有名で、慈悲の象徴である観音菩薩(チベットではチェンレジ)を讃えるマントラとして唱えられます。

これも、釈迦が直接教えたわけではないという点は注意してください。

後の仏教伝統において発展した形となります。

キリスト教の瞑想

キリスト教における瞑想は、神との深い関係を築くことを目的としています。

コンテンプレイティブ祈りとレクシオ・ディビーナは、この目的において中心的な実践です。

コンテンプレイティブ祈り

コンテンプレイティブ祈りは、言葉を超えた神との一体感を求める祈りの形です。

この実践では、静かな環境で神の存在に開かれ、神の愛を受け入れ、その愛の中で自分自身を見つめ直します。

実践方法:

  1. 準備: 静かで邪魔されない場所を見つけます。快適な姿勢で座り、数分間リラックスして呼吸に意識を向けます。
  2. 呼びかけ: 心の中で、神に対するあなたの願いや愛を表現します。これは言葉に出す必要はありません。心の動きや感情を通じて神に呼びかけます。
  3. 静寂に入る: 何もしないで、ただ神の存在の中にいます。思考が現れたら、それに執着せず、静かに神への注意を戻します。
  4. 聞く: 神からの言葉や導きがあれば、それを心に受け入れます。この時、内なる声や感覚に注意を払います。
  5. 感謝: 瞑想の終わりには、この時間を共有してくれた神に感謝します。

レクシオ・ディビーナ

レクシオ・ディビーナは、「神聖な読書」とも呼ばれ、聖書のテキストを深く瞑想的に読む実践になります。

この方法では、聖書の言葉を通じて神との対話を深めます。

実践方法:

  1. 準備: 聖書の一節を選び、静かな場所で心を落ち着けます。
  2. 読む (Lectio): 選んだ聖書の節をゆっくりと読みます。この段階で、テキストの意味を理解しようとするよりも、言葉が心に響くかどうかに注意を向けます。
  3. 瞑想する (Meditatio): 読んだ言葉について深く考えます。どのような思いや感情が湧き上がってくるか観察します。
  4. 祈る (Oratio): 読んだテキストを基にして神に祈ります。この段階での祈りは、心からの反応や対話となります。
  5. 静 contemplatio): 神の存在の中で静かにとどまります。この時間は、言葉や活動を超えた神との一体感を体験するためのものです。
  6. 行動 (Actio): 瞑想の結果を日常生活に生かします。読んだ聖書の節から得た教訓や導きを、具体的な行動に移すことを意図します。

さて、これらの祈りや瞑想はイエスが直接指導したものなのでしょうか?

コンテンプレイティブ祈りの由来

コンテンプレイティブ祈りは、聖書における「静かであれ、そして私が神であることを知れ(詩篇 46:10)」という教えに根ざしています。

この祈りは、内的な静寂の中で神の存在を認識し、神との深い一体感を経験することを目指します。

また、イエス・キリストが祈りのためにしばしば人里離れた場所に引きこもったという記述(例えば、ルカの福音書 5:16)も、この種の祈りの実践に影響を与えています。

こういう瞑想法は後に聖書の教えを元に作られたものになります。

レクシオ・ディビーナの由来

レクシオ・ディビーナは、聖書を「生きた言葉」として受け止め、神の言葉を日々の生活に活かすことを目指しています。

この実践の由来は、ヨシュア記 1:8「この律法の書をあなたの口から離さず、昼も夜もそれを読み、そこに書いてあるすべてのことを行いなさい。そうすれば、あなたの道は栄え、あなたは成功するであろう。」や詩篇 1:2「その人は主の律法を喜び、その律法を昼も夜も思いめぐらす。」

などの聖書の節に触発されています。

これらの瞑想法は、キリスト教の修道院の伝統や教会の教父たちの教えを通じて、聖書の教えに基づいて発展してきました。実践者は、これらの方法を通じて、聖書の言葉をより深く理解し、自分の信仰生活に積極的に取り入れることを目指しています。

タオイズム(道教)の瞑想

自然との調和を重んじる中国の哲学・宗教です。

その中心的な概念に「道」(タオ)があり、すべての存在の根源であり、宇宙の究極の原理とされています。

タオイズムの瞑想法は、この「道」との調和を目指し、内なるエネルギー(気)と宇宙のエネルギーを統合することを目的としています。

特に「内観瞑想」は、この目的を達成するための重要な実践です。

内観瞑想の基本

内観瞑想(内練法)は、内なるエネルギーを認識し、調整し、そして強化するプロセスです。

この瞑想法は、身体の中を流れるエネルギーの経路である経絡(メリディアン)に焦点を当て、気の流れを改善することを目的としています。

実践方法

  1. リラックスして姿勢を整える: 快適な座位または立位で、体をリラックスさせます。背筋をまっすぐに保ち、呼吸を深くゆっくりと行います。
  2. 丹田(ダンティエン)に集中: 丹田は、おへその下約三指分の位置にあり、体内の気の源とされる場所です。この点に意識を集中し、呼吸を通じてエネルギーを感じます。
  3. 気の流れを観察: 意識を丹田から始めて、体内の気の流れを感じながら、経絡を通って全身に気を送ります。
  4. 宇宙との調和: 内なる気と宇宙のエネルギーが調和することをイメージします。天からのエネルギーを頭頂から受け取り、足の裏から地球のエネルギーを吸収し、これらが体内で調和し合う様子を視覚化します。

タオイズムの瞑想法は、古代中国の道教典籍、特に『黄帝内経』や『道徳経』などにその基礎が見られます。

『黄帝内経』は中国伝統医学の基本テキストであり、人体のエネルギーの流れや、健康と病の理論を説明しています。

『道徳経』は、タオイズムの基本的な思想を説く書であり、自然との調和や無為自然の重要性を説いています。

タオイズム(道教)は、紀元前6世紀から紀元前4世紀の間に古代中国で発展した哲学的・宗教的な伝統です。

この伝統は、特に老子(Laozi、老子)とその著作『道徳経』(Dao De Jing、道徳経)に起源を持つとされています。

老子は、紀元前6世紀の中国の哲学者とされ、タオイズムの中心的な思想家と見なされていますが、彼の実在については歴史家の間で議論があります。

『道徳経』は、宇宙の根本原理である「道」(タオ)と、それに従って生きることの重要性を説くテキストです。

この書は、自然に従って生き、無為自然(ウェイウェイ、無為の行動)の原則に基づいて行動することの価値を強調しています。

タオイズムは、老子の教えを基礎として、ほかの多くの哲学者や宗教指導者によって発展しました。中でも重要な人物としては、荘子(Zhuangzi、荘周)がいます。荘子は、紀元前4世紀の思想家で、『荘子』という作品を残しました。このテキストは、個人の自由や相対主義、自然との調和をさらに深く探求しています。

ヒンドゥー教のAum瞑想法

ヒンドゥー教の瞑想は、古代インドの精神的伝統に根ざしており、内面の平和を達成し、精神的な成長を促進するための手段として用いられています。

主に、トランス瞑想とヨーガ瞑想の二つの方法がありますので順番に見ていきましょう。

トランス瞑想

トランス瞑想は、特定のマントラを心の中で静かに繰り返し唱えることによって心を落ち着かせ、深いリラクゼーションの状態に入る瞑想法です。

このプロセスを通じて、心の活動が鎮静し、深い内面の平和に到達することができます。

実践方法:

  1. 静かな場所を選ぶ: 瞑想を行うためには、邪魔されない静かな場所を選びます。
  2. 快適な姿勢を取る: 座っているか、リラックスできる姿勢で行います。
  3. 目を閉じる: 目を閉じて、内面に意識を向けます。
  4. マントラを唱える: 選ばれたマントラを心の中で静かに繰り返します。この際、マントラの音響に集中し、心が雑念に走った時は優しくマントラへと意識を戻します。

マントラの例:

  • 「オーム」(Aum または Om): 宇宙の根本的な音とされ、ヒンドゥー教で広く用いられるマントラです。
  • 「ソーハム」(So’ham): 「私はそれ自体である」という意味を持ち、自己と宇宙の一体感を感じさせるマントラです。

ヨーガ瞑想

ヨーガ瞑想は、ヨーガの実践の一部として行われ、アーサナ(体位)やプラーナヤーマ(呼吸制御)、ダルナ(集中)、ディヤーナ(瞑想)を含む一連のプロセスを通じて心身の統一を目指します。

実践方法:

  1. アーサナ(体位): 体を安定させ、心を落ち着かせるためのさまざまなポーズを行います。
  2. プラーナヤーマ(呼吸制御): 呼吸のリズムを制御することで、心を鎮め、集中力を高めます。
  3. ダルナ(集中): 特定の対象(例えば、炎、シンボル、マントラなど)に集中し、心の散漫を抑えます。
  4. ディヤーナ(瞑想): 深い瞑想の状態に入り、内面の静けさと平和を経験します。

ヨーガ瞑想は、心と体のバランスを整えるだけでなく、自己認識を深め、精神的な成長を促進する効果があります。

これらの瞑想法は、ヒンドゥー教の精神的な実践の中核を成すものであり、世界中で多くの人々によって実践されています。

オーム(Aum または Om)について

「オーム」は、ヒンドゥー教、仏教、ジャイナ教など、多くの東洋の宗教や哲学で重要なマントラとされています。

この聖なる音は、宇宙の根源的な振動を象徴し、三つの音節から成り立っているとされます:「A(アー)」、「U(ウー)」、「M(ムー)」。これらは一つの音として統合され、「オーム」と発音されます。

  1. A(アー): この音は、始まりや創造を象徴し、喉の奥から発声されます。
  2. U(ウー): この音は、維持やエネルギーを象徴し、口腔内で発声されます。
  3. M(ムー): この音は、解脱や終わりを象徴し、唇を閉じながら鼻腔で響かせます。

オームを唱える際の音程は、瞑想を行う個人の声域や好みによって異なりますが、一般的には低い音域から始めて、自然に声が響く範囲で唱えます。

瞑想やヨガのクラスでは、指導者が特定の音程やリズムでオームを唱えることがありますが、最も重要なのは、唱える人が心地よく感じること、そしてその振動が心と体に響きわたることです。

マントラの実践においては、正確な音程よりも、そのマントラがもたらす内面的な響きや感覚、集中とリラクゼーションへの導きが重視されます。

さまざまな伝統や学派では、この「オーム」の発声方法に若干の違いがあるかもしれませんが、その基本的な意味と目的は共有されています。

最新の情報や特定の瞑想法に関する正確な指導を求める場合は、ヨガや瞑想の専門家に相談することをお勧めします。

また、インターネット上には、マントラの発声方法を解説する動画やオーディオクリップが数多くありますので、それらを参考にするのも一つの方法です。

トランスデンタル瞑想とは?

トランセンデンタル・メディテーション(TM)は、アメリカ合衆国の投資家・ヘッジファンドマネージャーで、ヘッジファンドのブリッジウォーター・アソシエイツをニューヨークで創業したレイ・ダリオ氏が日常で取り入れている瞑想方法です。

彼はGoogle同様ビジネスにおいても瞑想をとても重視しています。

トランスデンタル瞑想(TM)は、精神を静め、リラックスさせ、ストレスを減らし、個人の内面の平和とバランスを高めるための瞑想技術として、1950年代にマハリシ・マヘーシュ・ヨギによって西洋に紹介されました。

彼はインドの伝統的な教えからこの技術を発展させ、簡単で効果的な方法として世界中に普及させました。

トランスデンタル瞑想の方法

  1. 準備: 静かで快適な場所を選び、座って目を閉じます。
  2. マントラ: マントラ(繰り返し唱える音や言葉)を心の中で静かに繰り返します。このマントラは個人に合わせてTMの指導者によって選ばれます。
  3. 瞑想: 約20分間、マントラを繰り返しながら、他の考えが心に浮かんでも、それに抵抗せず、自然にマントラへと意識を戻していきます。
  4. 終了: 瞑想を終えた後、ゆっくりと目を開き、数分間、周囲に意識を向けてから日常の活動に戻ります。

マントラ自体は一般公開されていないため、明記できませんが、一般的に瞑想用マントラとしては次のような音が使われます。

  • オーム (Om): 古代サンスクリット語で宇宙の根本的な振動を象徴し、多くの瞑想実践で用いられる。
  • シャンティ (Shanti): 「平和」を意味し、内面の平和を求める際に用いられる。
  • ソーハム (So-Ham): 「私はそれである」という意味で、自己と宇宙の一体感を感じるために使用される。

これらのマントラは、TMの公式なマントラではありませんが、瞑想の際に使用される類似の概念を反映しています。

TMでは、指導者が個人のために特別に選んだマントラを静かに心の中で繰り返すことにより、心を静め、深いリラクゼーションの状態に導かれます。

トランスデンタル瞑想の効果

  • ストレスと不安の減少: 研究により、TMがストレス、不安、抑うつの症状を軽減するのに有効であることが示されています。
  • 心身の健康: 血圧の低下、心臓病のリスク減少、睡眠の質の改善など、心身の健康に多くの利点があります。
  • 集中力と生産性の向上: 瞑想によって心が静まり、集中力が高まり、日々の生活や仕事の効率が向上します。
  • 自己認識と内面の平和: 定期的な瞑想は、自己認識を深め、内面の平和と満足感を促進します。
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