「愛されない」という演目は、誰が選んでいるのか
「どうしていつも私ばかり」「また同じパターンだ」。
恋愛でそう感じるとき、あなたは「愛されない」という演目を何度も繰り返しています。
でも、それは誰が選んでいるのでしょう。
相手のせいでも、運命のせいでもありません。
無意識のうちに、あなた自身が「愛されない」という演目を選び続けているのです。
好きな人に会う前から「どうせ私なんて」と思う。
LINEの返信が遅いと「やっぱり興味がないんだ」と解釈する。
誰かが近づいてきても「いつか離れていく」と身構える。
そのひとつひとつが、幕を上げる前の「演目指定」になっています。
ここで大事なのは、これは「考え方のクセ」や「性格の問題」ではないということ。
もっと根っこにあるのは、心のフィルターです。
「愛されない」は、心のフィルターが映し出す一つの場面
心のフィルターとは、あなたが現実を見るときに無意識にかけている色眼鏡のようなもの。
一度「私は愛されない」というフィルターをかけると、どんな出来事もその色に染まって見えます。
相手の優しさは「気を遣わせている」に変換される。
好意のサインは「勘違いかもしれない」と打ち消される。
たまにもらうあたたかな言葉も「いまだけ」と信じられない。
フィルターは、あなたの目の前の現実を「愛されない証拠」に加工してしまうのです。
このしくみを、脳の働きから見てみましょう。
人間の脳には、自分の信念に合う情報ばかりを集めてしまう「確証バイアス」という傾向があるとされています。
これは誰にでも備わっている自然な機能です。
「愛されない」と強く信じている時期には、その信念を裏付ける材料だけを敏感に拾い集めるようになります。
つまり、「愛されない現実」に見えるのは、現実全体のほんの一部。
フィルターを通して見ているから、そう見えるだけなのです。
なぜフィルターが外れないのか、そこにある「力み」
フィルターを外したいと思っていても、なかなか外れない。
それには理由があります。
「愛されない」という演目を握りしめているのは、「愛されるために変わらなければ」という思いそのものだからです。
「もっと素敵にならなきゃ」「この性格を直さなきゃ」。
そう努力すればするほど、「いまの私では愛されない」という前提をなぞり続けてしまいます。
これが、思考と現実のあいだにある対の真実です。
現実は必ず動きます。
ところが、変えようとする力みが強まるほど、その動きは止まってしまいます。
変わりたいと強く願うほど、なぜか同じ場面が続くのは、このためなのです。
では、どうすればいいのか。
答えは「力まずに、フィルターをそっと外す」ことです。
恋愛の演目を選び直す、三つのやさしい稽古
フィルターを外し、望む恋愛の演目を選び直すための小さな稽古を三つ、お伝えします。
一つめは、「愛されなかった記憶」をただの過去にする稽古です。目を閉じて、過去に「愛されなかった」と感じた場面をひとつ思い浮かべます。それを否定する必要はありません。「ああ、あのときはそう感じたんだな」と、ただ受けとめます。そして心のなかで「この演目はもう十分にやりきった」と、そっと幕を下ろしましょう。過去を書き換えるのではなく、過去の演目に拍手を送って、舞台から降りてもらうのです。過去の演目に拍手を送って幕を下ろす、完了のスイッチ
二つめは、「愛されている小さな証拠」に気づく稽古です。
フィルターが強いときほど、すでに届いている愛が目に入らなくなっています。
今日一日、誰かから受けた小さな優しさを三つ、意識して見つけてみてください。
友人の「お疲れさま」、家族が置いてくれていたごはん、店員さんの笑顔。
どんなに小さくてもかまいません。
「あ、いま受け取った」と気づくことが、フィルターを一枚ずつ薄くします。
三つめは、「すでに愛されている自分」を知っているだけの稽古です。
これは何かを頑張る稽古ではありません。
ただ「私はもう愛されている」と知って、そこに座っているだけ。
これが「知る」というスイッチの本質です。
何かを叶えるのではなく、すでにあることを知る。
その知っている状態が、新しい演目の幕を自然と上げ始めます。
「知る」がフィルターを外し、現実のほうから動き始める
「愛されない」と思い込んでいるとき、あなたは愛を「探しに行く」姿勢になりがちです。
でも、探せば探すほど「まだない」と力むことになります。
そうではなく、「私はもう愛されている」と、まず知ること。
誰かに証明してもらう前に、自分が知る。
すると、不思議なことに、外側の現実のほうがその知っている状態に合わせて動き始めます。
「作る」のではなく、スイッチを入れて「現実のほうからやってくる」のを待つ。
それが、心のフィルターを外したあとに起きることです。
今日から、「愛されない過去」に幕を下ろし、「すでに愛されている自分」を知ることから始めてみませんか。
あなたの恋愛の舞台に、新しい演目の幕がそっと上がるところです。