仕事帰り、つい手が伸びる「ご褒美」
疲れて帰る夜。
スマホを開くと、あなたはもう「今日は頑張ったから」と、とっておきのスイーツをカートに入れていませんか。
予算のことは頭の片隅にありながら、それでも指が止まらない。
数日後、届いた箱を見て「またやっちゃった」と思う。
なのに、次の夜もまた同じことをしている。
そんな自分に、少しだけがっかりしていませんか。
大丈夫です。
あなたがだらしないのではありません。
心の自然な仕組みが、その買い物を「痛くない」ものにしているだけなのです。
なぜ「ご褒美」のお金だけ痛まないのか
その仕組みは、行動経済学で「メンタルアカウンティング」と呼ばれます。
心のお金の仕分け、といった意味です。
人はお金を一つの財布として考えていません。
「生活費」「貯金」「ご褒美」という、いくつもの箱に分けてしまうのです。
そんな傾向が知られています。
同じ千円でも、生活費の箱から出すと痛みます。
ところが「ご褒美」の箱に入れると、そのお金には最初から「使っていい」という札が貼られたようなもの。
減っても、失った気がしません。
痛みを感じないから、手がどんどん伸びる。
意志が弱いのではなく、箱のラベルがそうさせているのです。
似た仕組みは、値段の見え方にも働きます。「安かったから」と買ってしまう心の動きは、「安かったから」で買ったのに使わない、お金の錨を外すでお伝えしました。意志の弱さではなく心の癖で貯金が続かない話は、貯金が続かないのは意志のせいじゃない、現在バイアスという心の癖でも触れています。
箱の名前は、選び直せる
ここに、あなたの思い込みが一枚入っています。
「ご褒美」という箱の名前は、お金に最初から付いていたものではなく、あなたが知らないうちに貼ったラベルだからです。
お金は、ただのお金。
名前に気づいた瞬間から、スイッチは入ります。
ご褒美をやめる必要はありません。
頑張った自分をねぎらうこと自体は、むしろ大切です。
変えるのは、箱の名前と、その箱に入れる瞬間の無意識だけ。
買う前に一度、「これはご褒美か、それともただの疲れ逃れか」と名前を確認してみてください。
たったそれだけで、心のフィルターが外れ、本当に欲しいものだけが手に残ります。
箱の名前を、あなたが本当に求めているものの名前に書き換えてみましょう。
「今夜の安らぎ」「明日の私への贈りもの」。
名前に気づいたそのときから、お金はあなたの手に戻ってきます。
今日の実践
今日はひとつだけ。
次に「ご褒美だし」と思ったとき、買う前に五秒だけ立ち止まり、心のなかでこう問いかけてください。
「これは、私の何を満たしてくれるだろう」。
答えが「疲れを忘れたいだけ」なら、その五秒があなたを助けます。
答えが「明日の私が喜ぶ」なら、その買い物はもう、あなたが自分で選んだものです。
よくある質問
Q. ご褒美を我慢すると、かえって爆発しませんか
A. 我慢はおすすめしません。
むしろ逆です。
箱の名前を「使ってはいけない」にするほど、心は反動で手を伸ばします。
ご褒美を責めるのではなく、「これは私の何を満たすか」と名前を確認するだけに留めるのが、長く続けられるコツです。
Q. メンタルアカウンティングは悪いことなのですか
A. 仕組み自体は善悪のない、誰にでもある心の働きです。
上手に使えば、先取り貯金のように役立つ面もあります。
大事なのは箱の名前に気づいているかどうか。
無意識のままだと流され、気づいていれば選べます。
Q. どのくらいで実感できますか
A. 期間はお約束できませんが、名前に気づけるようになった時点で、買う前の一呼吸が生まれるのを感じる方が多いようです。
数字より、その一呼吸が増えたかどうかで見るのがおすすめです。
無理にやめず、箱の名前をそっと確かめることから。あなたの心の仕組みを知りたい夜は、数秘で今日のヒントへどうぞ。