2026年8月9日 · 3分20秒
恋愛、追いかけるほど逃げられるのはなぜか
ことばで読む (書き起こし)
LINEを開くたび、既読はついているのに返事がない。今日もまた、自分から話題を探して送ってしまった。送ったあとで「また私からだった」とため息が出る。なんでいつも私ばかり追いかけているんだろう。頑張れば頑張るほど、相手は遠ざかっていく気がする。そんな夜を過ごしたことはありませんか。 その感覚、あなたのせいじゃないんです。 人の心には「希少性」という仕組みがあって、手に入りにくいものほど価値が高く見えることが知られています。ネットショップで「残りわずか」と表示されると急に欲しくなったり、限定品に飛びついたりする、あれと同じです。そしてこの仕組みは、恋愛でもしっかり働くんです。 あなたが追いかければ追いかけるほど、相手の目にはあなたが「いつでも手に入る存在」に映ってしまう。すると不思議なことに、あなたの価値が下がって見える。逆に、あなたが追うのをやめて少し距離ができると、あなたの存在は「手に入りにくいもの」に変わり、相手の目には価値が上がって見えるんです。 だから追うほど逃げられる。この逆説が、恋愛であなたが何度も味わってきたあのパターンの正体です。 でもね、ここで考えてほしいのは「じゃあわざと冷たくすればいいのか」ということじゃないんです。「追わなきゃ終わってしまう」その焦りこそが、力みなんです。力みがあるとスイッチは止まってしまう。これはこの本棚で繰り返しお伝えしていることです。手放したときに、現実のほうが動き始める。恋愛も、例外じゃありません。 「追わなくても、私の価値は変わらない」って、まず知ってみてほしいんです。追わない自分を許してほしい。誰かに愛されるために、必死にならなくてもいいんだと、自分に言ってあげてほしい。そうやって握りしめた手をほどいた瞬間、見える場面がそっと変わり始めます。相手の反応を待つ時間が、不思議と苦しくなくなっていく。その変化は、とても小さな一歩から始まります。 今日、やってみてほしい実践があります。 「返信しなきゃ」と思ってスマホを手に取ったとき、そのまま画面をつける前に、一度となりに置いてみてください。それから台所に行き、やかんでお湯を沸かして、お気に入りのカップに茶葉を入れる。お湯を注いで、湯気が立ちのぼるのを眺める。窓の外を一分だけぼんやり見てみるんです。 たった一分です。追いかけるのに使っていたその時間を、今日は自分のために使ってみる。追わないっていう選択を、頭で考えるだけじゃなくて、からだで体験してみる。カップのあたたかさを手のひらで感じながら「あ、いま私、追わなかった」って思う。それだけでいいんです。明日も、明後日も、同じように繰り返してみてください。 追わなくても大丈夫。あなたの価値は、返信の速さでも、送ったメッセージの数でも決まらない。誰かに追いかけてもらわなくても、あなたはもう、充分に価値のある存在です。そう知ることから、今日という一日の場面が、少しずつ変わり始めます。