レジの前で、ふと感じるあの感覚
買い物のレジで合計金額を見たとき、月末の通帳を開いたとき、ふと「足りないかもしれない」と胸のあたりがきゅっとする。
その感覚は、あなただけのものではありません。
多くの人が、お金にまつわる「足りない」を日々のなかで感じながら暮らしています。
でも、ここでひとつ立ち止まって考えてみてください。
その「足りない」は、本当に口座の残高だけから生まれているのでしょうか。
同じ残高でも、ある人は「なんとかなる」と感じ、別の人は「足りない」と感じます。
金額という数字は同じでも、それをどう受け取るかは人によって違う。
ということは、「足りない」は数字そのものではなく、その数字を見つめるまなざしから生まれているのです。
つまり、あなたが無意識に選んでいる演目からです。
「足りない」が演目を固めるしくみ
ここで少し、心のしくみをひもときます。
「足りない」と感じたとき、人はたいてい無意識に「確認」を始めます。
残高を何度も見る、家計簿を細かくつける、節約情報を検索する。
どれも悪いことではありません。
でも、その確認の行為じたいが「私は足りていない」という前提をさらに強く信じ込ませてしまうのです。
なぜなら、確認という行為には「まだ足りていないはずだ」という前提が潜んでいるからです。
確認すればするほど、その前提は補強され、「足りない」という演目がますます固まっていく。
これは意志の弱さでも性格の問題でもなく、だれの心にも備わっている自然な働きです。
別の言い方をすれば、「足りない」を意識するたびに、あなたのスイッチは「欠乏」の演目を選び続けているのです。
「もうある」と知るだけで幕が上がる でお伝えしたように、現実を動かすスイッチは「まだない」から「もうある」へとまなざしを移したときに、自然と入ります。ところが、お金のこととなると「まだない」に意識が向かいやすい。毎月の支払いや残高といった、目に見える数字があるからかもしれません。
三つのスイッチ練習
では、お金の「足りない」演目から「豊かさ」の演目へ、スイッチを切り替えるにはどうすればいいのでしょう。
今日からできる三つの小さな練習をお伝えします。
一つめは、確認を一回やめてみること。
残高を見たくなったとき、まず深呼吸をひとつ。
そして「いま、ここにあるもので足りている」と、心のなかでそっと言葉にしてみてください。
口座の数字を変えようとするのではなく、その数字を見るまなざしを変える。
これがスイッチの切り替えです。
二つめは、一日の終わりに「今日受け取ったもの」を三つ思い出すこと。
それはお金に限らなくてかまいません。
誰かのやさしい言葉、思いがけない差し入れ、窓から差し込むあたたかな光。
受け取ったものに意識を向けると、「足りない」ではなく「すでに与えられている」という演目が動き出します。
あなたのなかで、少しずつ幕を開け始めるのです。
三つめは、お金を使うたびに「ありがとう」と心のなかで言うこと。
コンビニのコーヒーでも、電気代の引き落としでも、そのお金があなたの暮らしを支えてくれている。
感謝は「足りない」から「めぐっている」へと、まなざしをそっと移す一番やさしい練習です。
今日の小さな実践
どれかひとつでかまいません。
今日、お金のことで「足りない」と感じた瞬間に、まず確認をやめて、深呼吸をひとつ。
そして「いまは、足りている」と自分に言ってあげてください。
力まなくて大丈夫です。
この練習に「うまくやらなきゃ」と思うことじたいが、すでに力みです。
ただ、やってみる。
それだけで、あなたの演目は確かに動き始めます。
「必ず叶う」のに「力むと止まる」 でも触れたように、世界のスイッチは必ず働きます。ただ、力みがそれを止めるのです。だとしたら、力まずに「もう豊かさの演目に立っている」と知ること。それが、今日からできるいちばん確かな一歩です。
豊かさは、あなたのレパートリーのなかにもうあります。
あとは、それを選ぶだけ。
今日も、あなたの幕がやさしく上がりますように。